小説と詩のブログ
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
あれは自殺なのか、それとも誰かに押されたのかは分からない
6話:ある通勤の時間にて
6話:ある通勤の時間にて
それは俺が社会人になってからまだ幼い頃の話だ
俺がいつも通う駅の朝はあまり人は並ばない
なので、それに乗る電車は都会の通勤ラッシュの時の状態とは縁が遠い
今日の朝もそれなりの人が電車を待っていた
俺みたいな社会人は勿論、学生、これから何処かに遊びに行く人等々の人達も並んでいた
俺はその中に並び、電車を来るのを待っていた
その時背後から女性の悲鳴が上がった
そしてその後に絶叫、叫ぶ声が続いて聞こえてきた
俺は何だろうと思い後ろに振り返ってみた
背後からは帯だたしい鮮血が飛び散るように地面に充満していた
そしてそこには人間の肉片、生首、手があった
どうやら電車が通過する直前、女子高校生がいきなりホームから飛びこんでいたのだった
この状況に俺は唖然とした
彼女の肉片をみるだけでも気分が悪かった
ただでさえ吐きそうなのに、死体の臭いが俺の吐き気をより一層襲いかかる
その時、呆然とその状況を見ていた俺に向かって彼女の生首が転がってきた
そして生首は俺の足元で動きを止めた
俺は固まりつつもその彼女の生首を見た
すると突然、彼女の生首の目が開き・・・・・・
「見ないで!!!」
彼女の生首はそう叫んだ
その時、彼女は果たして生きていたのか、それとも吐き気のあまりで映った虚像だったのかは分からない
6話:ある通勤の時間にて 完
PR